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厚生労働省は、社員の健康増進を図る中小企業への補助金を新設すると発表しました。2024年5月より実施計画の受付開始です。(社員の運動促進へ補助金 厚労省、中小向けに24年度|日経新聞)
この記事では、健康経営に着目しながら本補助金を解説します。
補助金を上手く活用し、健康経営への取り組みを促進していきましょう!
まず、健康経営とは何か。経済産業省より以下のようにまとめられています。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。(健康経営とは|経済産業省) |
日本は超高齢化社会に突入しており、2020年と比較して2050年には総人口20%減少、生産年齢人口は30%以上(総人口の7%)減少すると予想されています。
また、高齢化がさらに進展し約40%が高齢者、約10%が要介護者となることで、公的保険で賄われる社会保険負担額も約35%増加する見込みと言われています。
そこで健康寿命を75歳にまで引き延ばすことで、生産年齢人口の増加を目指します。
近年では、労災による死亡者数は令和3年時点で平成29年から111人(11.3%)減少している一方で、休業4日以上の死傷者数は29,458人(24.5%)増加です。
このうち転倒が5,362人(18.9%)増加、腰痛等の動作の反動・無理な動作が4,600人(28.4%)増加となっています。
これらは身体機能の衰えにより発生することもあるため、従業員の運動指導を促進することにより、日常生活や業務への負担を減らすことができるとされています。
今回の補助金新設は、企業が主体となり従業員の健康増進を図ることで、健康寿命の延長・労災の発生抑制を目指しているのではないでしょうか。
現時点では本補助金に関する詳細は公表されていません。
既に公表された情報以外に関しては、既存の類似補助金(エイジフレンドリー補助金)の情報を元に予測して記載します。(随時更新)
対象事業者(予測) |
・労災保険加入している ・中小企業事業主 ・労働者を常時1名以上雇用している |
既存の補助金(エイジフレンドリー補助金)では中小企業事業者の範囲が以下のように規定されていましたのでご参考までに。
業種 | 常時使用する労働者数 | 資本金又は出資の総額 | |
小売業 | 小売業、飲食店、持ち帰り配達飲食サービス業 | 50人以下 | 5,000万円以下 |
サービス業 | 医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習支援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業など | 100人以下 | 5,000万円以下 |
卸売業 | 卸売業 | 100人以下 | 1億円以下 |
その他の業種 | 製造業、建築業、運輸業、農業、林業、漁業、金融業、保険業など | 300人以下 | 3億円以下 |
※労働者数または資本金等いずれか一方の条件を満たせば中小企業事業主となります。 ※医療・福祉法人は原則資本金がありません。労働者の人数のみでの判断となります。 |
受付開始 | ・2024年5月~ 計画受付後審査 |
補助対象 | ・理学療法士らによる体力チェックや運動指導実施など、従業員の健康状態の評価や運動プログラムを導入するための取組に要した費用 |
補助率 | ・3/4 |
上限額 | ・100万円 |
申請方法(予測) |
・厚生労働省HPから申請関係資料をダウンロード後、記入して申請先に提出 「申請書」「実施計画書」「誓約及び申立書」「対象経費内訳書」「日本標準産業分類表」「労働保険申告書」「労働保険料領収書」「見積書」などが必要になる可能性があります。 ・「GビズID」の申請・取得が必要になる電子申請(e-Gov電子申請)の可能性があります。「GビズID」の申請・取得には1週間ほど要します。 |
本補助金と類似した既存の補助金として「エイジフレンドリー補助金」があります。
こちらは60歳以上の従業員を抱える企業が対象でしたが、今回は高齢者に限らない補助になっています。
予算に達し次第受付終了となれば、早めの検討・準備が吉かもしれません。
本補助金のポイントの1つは「理学療法士ら専門家による」ことが条件であることです。 日本理学療法士協会HPでは、理学療法士を以下のように解説しています。
理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。理学療法士は国家資格であり、免許を持った人でなければ名乗ることができません。(引用:理学療法士とは|日本理学療法士協会) |
理学療法士の知識と経験は、生産年齢人口の増加や労災防止の鍵となり、
また、従業員の運動促進プログラムの計画・実施などを理学療法士とともに取り組んでいくことは、健康経営を目指す上で重要なポイントと言えます。
企業が健康経営の取り組みを行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
従業員が心身の不調を抱え欠勤が増えれば、他の従業員に業務が寄せられ生産性は低下します。
また、時間外労働が発生する等、労働環境の悪化に繋がりかねません。
ひとりひとりのパフォーマンスを最大限に引き出すことで、企業の生産性が向上すると言えるでしょう。
健康経営に取り組む法人に対して経済産業省が「健康経営優良法人」に認定する制度があります。
こちらに認定されると、外部からホワイトなイメージを持たれるでしょう。
また、企業のイメージを向上させることで、求人においても良い影響を及ぼすなど、多方面でメリットになりそうです。
従業員の健康状態を定期的に確認することで、健康問題が理由で離職してしまう人を減らすことが可能です。
法令で定められた年に1度の定期健康診断ではチェックしませんが、机や椅子の高さひとつにおいても腰痛や肩こりに繋がります。
そうした些細なことも含めて労働環境の改善点をチェックすることで、健康問題の早期発見と対応を行います。 また、ストレスチェックの実施も離職率を下げることに効果的でしょう。
厚生労働省のデータによると、常に50〜60%の労働者が仕事に関する強い不安や悩み、ストレスを感じています。
メンタルヘルスに関する問題を早期に発見し、適切なサポートや介入を行うことも離職率低下の秘訣です。
健康経営に着目しながら、2024年度にスタートする補助金制度の解説と予想を行いました。
既存の補助金に比べ、高齢者に限る制限も無く、補助率の高くなっています。
本補助金は健康経営への取り組みを進める大きなチャンスです。
これを機に瀬戸内ローズフィールドの理学療法士と一緒に、従業員の健康指導・運動プログラムを実施してみませんか?
皆様のご利用・ご相談、お待ちしております。
「健康経営を始めたいけどどうすればよいか分からない」「フィットネスを福利厚生で利用するにはどうすればよい?」などご不明点がございましたらお気軽にお問合せください。
施設名:瀬戸内ローズフィールド
場所:広島県福山市明神町1丁目4‐25
URL:https://setouchi-rosefield.jp/